子どもの自己肯定感を高めるために
当塾では小学1年生から高校3年生と幅広い年齢の生徒が通塾してくれています。開校以来、通塾開始から卒塾時(高校3年生)までの成績UP率は100%を維持し続けていますが、それでも成績の向上には個人差が大きいのが現状です。では、どのような生徒が上がりやすいのか、それはまさしく自己肯定感が高く他人の意見をしっかり尊重できる子どもです。では、子どもの自己肯定感を高めるためにはどうすればよいか、私たちも実践している方法も交えながらご紹介していきます。特に今回の話は3歳~6歳の子どもをお持ちの親御さん向けの話になってはいますが、小学生のお子様をお持ちの保護者の方にも役に立つ内容です。
子どもの人格形成は様々な研究で10歳前後で確立されるといわれています。具体的には、3歳までに親からの愛情を受け、安心感や「自分は愛されている」という自己肯定感の基礎を築きます。また、6歳までには善悪の判断や感情のコントロールを学び、周りとの関わりの中で性格のベースが定まります。そして、10歳前後で多くの経験や学校生活を通じて価値観が形作られ、人格の大部分が確立すると考えられています。
子どもの人格形成には、親との関わりも大きく影響するといわれています。例えば、過保護で甘やかしすぎると、子どもはわがままで反抗的になる場合が多くなり、何でも親の言う通りにさせようとすると、消極的で自発性が足りなり子どもになってしまう可能性もあります。さらに、子どもの生活環境も人格形成に深く影響するといわれています。例えば、兄弟がいる子は一人っ子よりも兄弟間で切磋琢磨することで、我慢強い性格になりたくましくなる子が多いようです。また、親同士の喧嘩が多いと家庭内の雰囲気が悪くなり、子どもの情緒にも影響を与え、自己肯定感が低くなることもあります。
このように、親と子どもとの関わり方や生活環境が、その子の自己肯定感の形成に大きな影響を与えることが分かっています。そして、子どもの人格形成を考える上で私がもっとも重要視していることは「子どものほめ方」だと考えています。子育ての中で何事にもやる気を出させるために「ほめる」という行為は有効手段だと考えられています。しかし、間違った使い方をすると逆に子どものモチベーションを下げたり、自己肯定感が低くなったりする原因になることが様々な研究でも分かってきています。それでは次に、一見良さそうなほめ言葉が子どもにとって逆効果になる理由3つと子どもの能力をぐんぐん伸ばすほめ方を紹介します。
まず悪影響な理由1つ目は、努力していない時にほめられるとやる気が低下するからです。スタンフォード大学の研究では、子どもが「手を抜いたな」と感じている時に過剰にほめられると不信感やモヤモヤが生まれて逆にやる気が下がることが分かっています。例えば、適当に描いた絵を「すごい!」、「上手!」と褒めたり、もう簡単にできるお着替えに対して「えらいね!」とほめたりすると「頑張らなくてもほめられる」といった間違ったメッセージを伝えることになる危険性があります。その場合、「どうせ何してもほめてくれるし」と挑戦する気持ちが薄れていってしまいます。それだけではなく「ママ、ちゃんと見てないかも」と信頼感が下がることもあります。ほめ言葉が子どものやる気をそいで親への不信感にもつながります。
2つ目の理由は、ほめられることでチャレンジする意欲が低下する場合があるということです。オランダでの研究によると「頭がいいね」などの評価的なほめ言葉を繰り返されると、子どもは失敗を避けるようになり、新しいことに挑戦しづらくなる傾向が出るそうです。評価を守るために難しいことに挑戦しなくなったり、できなかった時に言い訳が多くなったりという、子どもの成長の妨げになる場合が出てきます。
3つ目の理由は、好きだったことへの興味を失ってしまうことがあるということです。本来好きでやっていたことでも、ほめられることが目的にすり替わるとやる気を失ってしまうことがあります。これを、「アンダーマイニング効果」と言います。例えば、絵を描くのが好きだった子が「どう描いたらほめられるかな?」ばかり気にするようになり、「楽しいからやっている」から「ほめられるからやる」に変わってしまいます。その結果、子どもの「好き」という感情が減少し、かえって子どもの興味を潰してしまう危険性が出てきます。
それでは、どのように子どもを褒めればいいのか。答えは「プロセスをほめること」、結果や能力ではなく「努力したことや工夫したこと、挑戦したこと」に注目してあげてください。例えば、「お片付けできてえらいね」ではなく、「自分で気づいて片付け始めたんだね」や「ぬいぐるみきれいに並べたんだね」のように伝えると、「ちゃんと見てくれてる!」と感じて自己肯定感がとても高まります。では、見てなかった時はどうすればいいのか。家事をしていて、見ていないうちにブロックのお城が完成していたなんていう時もありますよね。そういう時は、ただ見たままを伝えるだけで大丈夫です。「大きなお城を作ったんだね」や「カラフルな色がたくさん使われてるね」といった具合です。そうすることで、子どもは共感してもらえたと嬉しくなり満足します。さらにおすすめの声掛けとして、子どもに質問してみるのもとても効果的です。「どうやって積んだの?」や「崩れないように工夫したの?」、「一番頑張ったところはどこ?」などと質問されると、子どもは自分のやったことを言葉にできて達成感や自己理解にもつながります。「すごい!」「上手!」「えらい!」だけではなく、「プロセスをほめる」、「見たままを伝える」、「子どもに質問する」の3つの声掛けで子どもは努力や挑戦を楽しめるように育ちます。
最後に、結果をほめることが全てダメということではありません。自然に心から感動した時は思いっきり伝えていただいて大丈夫です。しかし、ほめればやる気になるはずとコントロールを目的に使うのは逆効果です。子どもは大人が本心かどうか敏感に感じ取ります。これまでたくさんほめてきた保護者は子どものことをいつも大切に想ってきた素敵な方々です。今回のお話を参考に、ぜひ今日から試してみてください!

