生徒の成績が上がりやすい保護者の特長とそうではない保護者の特長
前回の記事では対生徒のお話をしてきましたが、生徒の成績を上げるためには保護者の関わりもとても重要になってきます。私も長年塾講師をやっていると、たくさんの保護者の方と接する機会がありました。そして、保護者の対応によっても生徒の成績が上がりやすい生徒とそうでない生徒の特長があることに気づきました。まずは、生徒の成績が上がりやすい保護者の特長を紹介いたします。
(1)提案通り講座を受講してくれる
入塾の際に決めることとして、集団か個別かを選択することになります。どちらが合うかは生徒によって変わるため、初回来塾時に三者面談を行うのですが私はそこで生徒の志望や成績、家庭での学習状況、そしてその子自身の性格を加味してどちらかを提案することになります。当然、入塾を考えているご家庭は、事前にどちらで受講したいか希望はあるのですが、我々の意見に耳を傾け柔軟にそれを受け入れてくれます。これは、季節講習時にも当てあまり、追加の講座も提案通りに受講してくれます。
(2)通塾後は家庭で勉強しなさいと言わない
多くのご家庭が、自分のお子様が勉強しなくて通塾を検討しますが、初回面談の際に私は様々なアドバイスを保護者と生徒の両方にします。その中で必ず保護者にお願いすることとして、家庭で勉強しなさいと言わないでくださいということです。なぜなら、成績が上がりやすい生徒ほど、保護者に勉強しなさいと言われてないからです。なぜそうなるかの理由については今回割愛しますが、それがまぎれもない事実です。
(3)テストの結果で動じない
受験までに生徒たちは様々なテストに臨みます。定期試験・学校での模試・塾での模試などですが、人間ですから成績が上がり続けることは現実的にかなり難しいです。時には失敗して悔しい思いをする生徒もいるわけですが、凹んでいる暇があればしっかり次のテストに向けて頑張りなさいと叱咤激励ができています。失敗から学ぶ大切さをしっかり認識されているのだと思います。
(4)家庭で塾の話題で盛り上がる
好きか嫌いかは子どもの成長を大きく左右します。当然、全ての事柄で我々塾側が保護者の満足を満たしているとは思いませんが、それを子どもの前では一切出しません。むしろ、子どもと一緒に授業での出来事や面談での出来事を共有して盛り上がっています。
(5)大学受験までの通塾を考えている
塾選びのポイントに大学受験まで通塾できるかどうかをポイントにしています。継続は力なりということわざの通り、長く通塾すればするほど成績は上がります。実際に当塾に高校3年生まで通塾した生徒の成績アップ率は100%です。すぐに結果が出ないからといって、コロコロ学習塾を変えるようなことはしません。
(6)授業料を子どもへの投資と考えている
目の前の受験のためだけでなく、将来社会に出て稼げる人になってほしいという意識が高い保護者ほど子どもの成績は上がりやすいです。(3)にもつながることですが、そういう方ほど目先の結果にとらわれないため、長い目でお子様の成長を見てくれています。
(7)成績向上よりも人としての成長を喜んでくれる
成績でその人の価値ははかれませんが、人間性はその人の価値を大きく向上させてくれます。時間を守るようになった、忘れ物をしなくなった、兄弟に優しくなった、何事も積極的に取り組めるようになったなど、成績以外のことでも塾に感謝してくれます。
(8)感謝の気持ちを大切にされている
教室にお越しの際に、我々スタッフにいつも感謝の気持ちを伝えてくれます。正直とても嬉しいですし、もっと頑張ろうという気持ちにさせていただいています。きっと、家庭でも愛情をもって家族に接しているため、心が豊かな子どもに育つのだと思います。ちなみに、仕事ができる人ほど、飲食店で食事をした帰り際に、必ず大きな声でごちそうさまでしたと言って退店していることも同じ理論かなと考えています。勉強も仕事も一人の力では限界がありますから、様々な人の協力が得られる人は、その分周りよりも結果を出しやすくなりますよね。
(9)適度な厳しさがある
子どもは時に道を踏み外しそうなときがあるものです。法に触れるようなことがない場合でも、やる気の低下・嘘をつく・約束事を守らない・遊んでばかりいるなど、どんなお子様でも起こりうることはたくさんあります。そんな時に、一気に噴火モードになることができるのが特徴です。普段優しい保護者ほどより効果的で、大人の怖さを上手に伝えられています。
(10)当事者意識がある
子どもの成績を上げるために、親として何をすればよいかの探求心が強いです。お金を払っておしまいではなく、子どもと一緒に頑張ろうという当事者意識を持っているご家庭は強いです。保護者のそういった姿勢が子どもにうつり、知への探求心が育まれるのだと思います。
以上が、成績が上がりやすいお子様をもつ保護者の特長になります。次に、そうではない保護者の特長をご紹介します。どれか一つでも当てはまっている場合は要注意ですので参考にしてください。
(1)塾(講師)に対して礼儀・リスペクトがない
当然我々と保護者との関係は、サービスを提供する側とそれを購入する側に分かれます。我々が提供しているサービスは形があるものではなく、まさに知識や心の部分です。お互いにリスペクトしながら一人の人間を育てるという意識が共有できないご家庭は成績を上げることは難しいです。
(2)無断遅刻・欠席を繰り返す
(1)の礼儀にも共通することですが、遅刻・欠席連絡はマナーであり社会のルールです。そういった家庭は、子ども自身もマナーやルールを疎かにしますから、塾との約束事は守らない傾向が強まります。
(3)目先のことばかりにとらわれる
成績は右肩上がりでは伸びていきません。ある日突然急激に上がるのが成績です。毎回のテストの結果で一喜一憂されては、目先の結果を出すことばかりにとらわれてしまい、学習の本質を見失ってしまう原因になります。しっかり優先順位をつけて、目の前の点数以上に今一番やらなければならない学習をさせることが我々プロの仕事です。
(4)通塾の目的が高校受験で合格するためになっている
一昔前は、通塾する目的の1位は高校受験で合格するためでした。しかし、時代は変わり、現在社会で求められている力は継続性だと考えています。その証拠に、大学入試もどんどん推薦入試の枠が広がってきていますよね。実際、たとえ郡山市でトップである安積高校に合格しても社会に出たときの優位性は全くありません。むしろ、大学に行ったとしても昔ほどの優位性はなくなってきました。よく、私立高校に進学先を変更したので塾を辞めますというご家庭がありますが、まさにこういったご家庭が当てはまります。
(5)保護者面談に来ない
いくらお金を払っているとはいえ、お子様の責任は保護者の責任です。自分の子どもが普段塾でどのように勉強しているか、そして、保護者自身ができることはないかの興味があれば保護者面談には来るはずです。仕事の都合やご家庭の都合でどうしても来られない方、全幅の信頼の元先生に全てお任せしますという方などは分かりますが、そういったご家庭ほど、提案した通りに講座を受講してくれません。
(6)要望とわがままの意味をはき違えている
塾は生徒の成績を上げるのが仕事であって、保護者の要望通りに授業するのが仕事ではありません。この教材を発注してほしい、カリキュラムはこのように進めてほしいなど、保護者自身の考えを押し付けてくることはおすすめしません。なぜなら、成績を上げるためにその生徒にどういった教材を使って、どのように授業を進めるのかを考えるのは塾側の仕事だからです。他にもたくさんの生徒がいますから、その生徒だけに特別扱いはできません。要望のつもりがわがままになっていないか注意する必要があります。
(7)家で間違った勉強法を教える
小学生の家庭で多いのがこのパターンです。保護者の方が、横で勉強を教えることは間違っているというわけではありません。実際、当塾でも家でお子様にこういった勉強をさせていると教えていただく際に、私自身も目から鱗の勉強法をされているご家庭もあるほどです。問題なのは、それは明らかに間違っているなという場合です。もちろん、子どものためになりませんからお話するのですが、そういった方ほど聞く耳をもちません。むしろ、私はこんなに頑張っているのにと感情的になる人もいます。当然、保護者の方も頑張っているのは分かりますが、たくさん時間をかけて成績が上がらないのは子どもが一番かわいそうです。
(8)子どもの言いなり
昔に比べ、最近益々保護者とお子様との距離感が近くなってきたと感じています。当然、親子の仲が良いことは素晴らしいことです。しかし、親として子どもにしっかり伝えなければならないことを言いづらいからといって伝えない方もいます。そういったご家庭の子どもは、好きなことしかせず苦手なことはやりたがりません。そして、保護者が言いづらいことを塾側に代弁させようとします。自分ができないことを他人に求めることは、子どもの教育の観点からもおすすめしません。
(9)自由と放任をはき違えている
子どもの希望を尊重することはとても重要なことです。しかし、それはやりたいことが明確に決まっていて、自ら努力ができる子どもに限った話です。そういった子どもは、親が細かなことにテコ入れをしなくても自分の力で道を切り開いていくことができますので、むしろ一定の距離を保って見守ってあげた方が生徒の可能性は広がります。しかし、そうでない子どもに同じことをしてしまうとただの放任になります。やりたいことが決まってなく、努力の仕方が分からない子どもには、親のサポートが必要になります。時には心を鬼にして、厳しいことを伝えなければならないときもあるかもしれません。そういった関わりを通して、子どもは少しずつ自分のやりたいことや適性を見つけて、それに向かって努力をするようになるのです。
(10)受験が近づくと勉強しろと言う
(9)の話にも関係する話ですが、子どもの勉強に無関心でいた保護者ほど受験が近づくと慌てます。そのため、過度にプレッシャーをかけ、結果が出ないときつくあたります。今までもそういった働きかけがあったのであればまだ話は分かりますが、散々放任していたのに受験が近づいたからやる気を出せは親のエゴではないでしょうか。そういう保護者ほど子どもにやる気を感じないや危機感がないと子どものせいにします。子どもは親の鏡ですから、子どもを責める前に自らの子どもへの関わり方を見直すことをおすすめします。
(11)塾の悪口を言う
子どもにとって一番身近な存在である親が、自分が通塾している塾の悪口を言っていたのでは信頼関係など築けなくなってしまいます。また、人の悪口を言いふらす人は、周りからの信頼を失いますから子どもの人間関係にも悪い影響を及ぼしますので注意が必要です。
以上、かなり厳しいことも述べましたが、まず大前提に子どもは親の背中を見て育ちます。長年この仕事をしていると本当にそれを感じます。私も含めて完璧な人間がいないのと同じように、完璧な親もいません。人それぞれ得意があり不得意があるのです。それを踏まえた上で、もう一度「通塾の意義とは」を考えていただきたいです。子どもは社会全体の宝物です。そういった意味で私自身も塾とは何かを考えた時、子育てのサポーターであるべきだと考えるようになりました。我々の得意は勉強を教えることであり、社会のルールを教えることです。しかし、どんなに頑張っても子どもに対する愛情は親には勝てません。だからこそ、お互いが得意とするものを最大限活用するためにも、塾と家庭での協力関係が必要不可欠だと考えています。もし、ご家庭で不得意なことで悩んでいる方がいれば、どうぞお気軽に我々学習塾に頼ってください。当塾を巣立っていった生徒たちは皆「人生が変わった」と言ってくれています。そういった関わり方を今までもこれからも郡山俊英スクールは全身全霊で実行していきます!